面接で号泣した私が、働くママになって変わったこと
■採用面接でしゃべれないほど号泣
仕事には、野心が必要でしょうか?
野心があったほうが大きなことに挑戦できるかもしれないけど、必ずしも野心が必要だとは思いません。
というのも、サポート役として働く楽しさも、ライフワークバランスを保つ大切さも知っているからです。
昔から家の間取り図を見るのが好きだった私に、就活仲間の友人が紹介してくれたのがハウスドゥでした。
選考ではセブン-イレブンを紹介する『プロジェクトX』を見ての感想を求められたのですが、私はとんでもなく感動してしまい、号泣して受け答えもできない状態に。
焦る私に、採用担当者は
「あなたみたいな人材が組織には必要なんだよね」
とやさしく声をかけてくれました。
最終選考には、社長もいました。
ちょうどハウスドゥがフランチャイズを始めたばかりのタイミングで、採用がどれだけ大変か聞いていた私は
「フランチャイズは名義を貸すことになるんですよね。自社の目が行き届きにくくなる点は、怖くないんですか?」
と質問してみました。
社長はこちらを見て、すぐにこう答えました。
「怖いけど、スピードが全然違うんです。日本全国にお客様に信頼していただける店舗を作る夢を叶えるには、相手を信じて任せないといけない。目標を達成するために、フランチャイズを選びました」
短く分かりやすい返答で、すとんと腹落ちしました。
他の会社は難しい言葉を並べて長く話す社長が多かったので、とても新鮮だったのを覚えています。
不動産サポートを行う事務職として入社してからは店舗の立ち上げに奮闘し、メンバーと一体になってプロジェクトを達成する喜びを知りました。
大変な仕事を任せてもらえるのは、それだけ評価されているからです。
そう思うとうれしくて、ハードな立ち上げ業務にも夢中で取り組みました。
そんな私の働き方が変化したのは、2012年に第一子を授かってからのことでした。
育児と仕事の両立という壁に、やはりぶつかってしまったのです。
■「帰っていいですか?」ではなく「帰ります」と言うべき理由
当時は今ほど産休・育休制度は整っていませんでしたが、上司はすぐに
「おめでとう。ちゃんと育休は取ってね」
と笑顔で送り出してくれました。
無事子どもを出産し、育休を経て復帰してからは、9時~17時の時短勤務をスタートします。
新しい店舗で後輩が多かったため、私はみんなの相談を受けて全体を取りまとめる役で、私がいないと店舗全体が回らない状態でした。
事務だけでなく、営業からもたくさんの質問が舞い込みます。
子どもが生まれるまでは
「頼ってくれてありがたいな」
と思う余裕がありましたが、育休明けに復帰してからはそうも言っていられなくなりました。
子どもが熱を出しても、子どもの心配をする前に
「私が休んでしまったら、お店が回らないんじゃないか」
と仕事の心配が頭をよぎってしまいます。
そんな自分に罪悪感を抱きました。
一体、私は何のために仕事をしているんだろう。
家族と幸せに暮らすために働いているはずなのに、家族を大切にできていない。
そこまでして働く意味はあるんだろうか。
そんな葛藤がぐるぐると渦を巻きます。
ある日、また保育園から子どもが熱を出したという連絡が入りました。
慌てて店長に
「引き継ぎしてから帰っていいですか」
とメールし、やきもきしながら返信を待っていると……
30分後に届いた返信メールには、思いがけない言葉が書いてありました。
「『帰っていいですか?』という質問にNOは出さへん。ちゃんと信頼しているから、そういう時は『引継ぎして帰ります』と言ってほしい。仕事を人に任せないと、“お母さん”はやっていかれへんよ」
子育ての先輩でもある男性上司は、私よりもよっぽど“お母さん”の大変さを理解していました。
■後輩にも「早く帰ってください」と怒られた理由
その出来事をきっかけに、営業さんにも
「私に全部の質問を持ってこないで、まず私の後輩に質問してください」
ときっぱり言えるようになりました。
仕事は分配するべきものです。
ちゃんと後輩に仕事を任せていかないと、後輩も育ちません。
それから後輩がすくすく育っていき、保育園から呼び出しがあった時に
「この仕事、任せていい?」
と後輩に頼ることが増えました。
退社する前には必ず、明日の仕事を付箋に書き出して、万が一出社できなくなった場合もスムーズに引き継げるようにしています。
自分が仕事を抱え込むほど頼られるようになり、やりがいや喜びが大きくなります。
でも、その分だけ自分が対応できない時に迷惑をかけます。
予測不可能な育児をする以上、後輩にもしっかり任せていこうと決めました。
また、先輩だからこそ早く帰るようにしています。
これも育休明けに保育園の呼び出しが続いて悩んでいた時に、上司から、そして後輩からも指摘されたことです。
「先輩だからこそ、早く帰ってください。一番上だからとか責任があるからとか、そんなことは関係ないです。水溜さんが早く帰る姿を見せないと、ほかの女性社員が『子どもを産んで育てたい』と思えません」
目が覚めるような気持ちになり、義務や責任で凝り固まっていた考え方を改めました。
育休前は残業しない働き方が通用するか不安に思っていましたが、会社が成長するにつれて社内制度も整っていき、第二子を産んだ時には人事から
「働く時間帯は、この候補から選んでください。お子さんを2人育てるとなったら、16時には帰ったほうがいいですよ」
とアドバイスされるほど、働くママに寄り添う環境が整っていました。
私が3人の子どもを育てるワーキングマザーとして働けているのは、育児と両立できる環境がハウスドゥにあるからです。
私は、特別大きな野心があるわけではありません。
自分が矢面に立つよりも、縁の下の力持ちのほうが向いています。
「水溜さんがいてくれてよかった」
とみんなが笑顔になれるよう、ハウスドゥのお母さん的な存在でいたいです。
(水溜美加:2007年入社。新卒で入社し、営業サポートに。3児の母。)
文:秋カヲリ
編集: AROUND.inc
企画運営・担当広報:株式会社ハウスドゥ・ジャパン
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