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住み心地のコツは「余白」家事動線中心の家づくり“SHIRO”

心地いい住まい、自分らしい家とは、どのように作ればいいのでしょうか?
完全なオーダーメイドで作るならまだしも、すでに間取りが決まっている建売住宅やマンションだと「どうやって工夫したらいいかわからない」という方も多くいらっしゃいます。
そこで、今回は自分で住まいをデザインできる建売住宅“SHIRO”の設計者の安原さん(新田駅前店)に、物件の設計ポイントを聞きました。


■物件の概要

新築戸建て 埼玉県草加市北谷
土地面積 131.28㎡
建築面積 101.62㎡(30.74坪)
間取り  3LDK

■【こだわりポイント】家事動線を意識した洗面スペース


草加市の住宅街にある物件で、子育て中のファミリー層向けに設計しました。敷地が少し変わった形なので「いかにLDKを広く取り、家事動線をすっきりさせて住みやすくするか」を重視しました。
どの住宅でも共通して意識しているのは、住み心地を大きく左右する家事動線と収納で、この家でもしっかりこだわりました。
特に家事動線を意識したのが1Fの物干しスペースで、アイロン台としても活用できる広い洗面台を作り、日当たりがいい南側に物干しできるスペースを確保しました。

家事の中でも洗濯はちょっと面倒なもの。1Fで洗濯して2Fのバルコニーまで運ぶのはかなりの重労働です。子育て中で目を離せない方はもちろん、高齢になったときに大きな負担になります。タオル類など1Fでのみ使用するものだけでも、1Fで干してすぐにしまえたら楽ですよね。
また、最近は花粉症の方や外出が多い共働きの方など、外に干しっぱなしにすることに抵抗のある人も増えています。こうした人にも室内の物干しスペースは重宝されます。

リビングなどの生活空間に洗濯物が干してあると雑多な印象で見た目がよくなく、来客時に慌てて片付けるなどのストレスが増えます。
洗濯機のある洗面スペースに設けるのが一番便利だと考え、物干しスペースを設けました。

物干しスペースを確保するため、洗面所にリビングから直接入れるようにしたことで、間にある廊下をなくしています。そのおかげで、2つのメリットが生まれました。

まず、洗面スペースからリビングを見渡しやすくなったこと。まだ手のかかる年頃の子供たちを見守りやすく、歯を磨きながらリビングのテレビニュースを見たり、リビングにいる家族と会話したりできます。
そして、リビングの暖房が洗面スペースまで行きわたりやすくなりました。冬に寒い思いをして服を脱ぐ必要がなく、いわゆるヒートショックの予防にもつながります。

■家における「余白」の使い方

建売住宅ブランド“SHIRO”のキーワードは「余白
住宅に余白があれば、生活を自由に楽しめるからです。

建売住宅は作っている段階で売り先となるお客様が決まっていないので、不特定多数の方に向けて作っており、実際はお客様ごとに住まいに対する価値観やこだわるポイントが違います。だからこそ、余裕のない間取りにするとお客様が自由に楽しむ余白がなくなり、価格や立地のみで家を選ぶことになってしまうのです。

“SHIRO”はある程度の生活動線(物語)は作りつつ、住む方の想像力を刺激できる「余白」を作ることで、お客様それぞれが家をデザインする楽しみを用意しています。
ところどころに余白となる小さな空間があり、
「パソコンスペースにしようかな」
「飾りスペースにしようかな」
などいろいろ想像が膨らみます。

今回の物件でも、あちこちに「余白」を作りました。
広い洗面所から外のポーチまでのスペースだと、洗面台に2人並んで使える広さがあり、アイロン掛けや下着等の収納ができます。
ポーチから庭へのアプローチでは物干しだけでなく、家庭菜園やバーベキューなども可能です。
階段下にも余白となる空間があり、植物や小さな飾り棚を置いたり、絵を直に置いたり机を置いてパソコンや勉強などの作業スペースにしたりと、生活に合わせてデザインできます。

詰め込み過ぎない余白のある間取りが、「3LDK」という部屋数の枠だけでは表現しきれない価値を内包しているんです。

■生活における「余白」の作り方


人によって理想とする「余白」はいろいろあると思いますが、私が思う余白は「自由に使える時間と空間」です。
というのも、私自身、生活の中に自由がなくなりパンクしてしまった経験があるからです。

昔からインテリアや設計に興味があり、念願のリフォーム会社へ新卒入社したものの、業務に追われて、時間も空間にも自由がない生活をしていたため、3年ほどで体を壊し、退職してしまいました。

心の状態により、精力的に動きたい日もあれば、静かにボーッと過ごしたい日もあります。自由に過ごせる「時間」と整えやすい「空間」があれば、自分の状態に合わせた過ごし方を選べます。
でも、当時のような働き方では、自由を奪われ、心身が疲れて思考もネガティブな方へ偏り、パンクしてしまいます。
だからこそ、住宅環境を整えることで自由に使える時間を意識的に作り出しています。

お風呂でリラックスできるなら、浴室は綺麗で素敵な空間にしましょう。
寝る時間がリラックスできるなら、理想の寝室を作りましょう。
リラックスできる場所を自分が好きな色や物で飾ったり、綺麗にしたりするだけで心にも余白ができます。

“SHIRO”の設計者として「自由に暮らせる住み心地の良い家」を作れるように、これからも余白ある家づくりをしていきます。

安原もえぎ(SHIRO設計者)

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