転職を繰り返し、何も持たない私が見つけた戦い方
堀部弥来:2022年入社。複数回の転職を経て中途入社。設計から企画マーケに。
■好奇心旺盛な私の転職事情
私は転職経験が多い。
学生時代から、アルバイトを掛け持ちしすぎていた。
どの仕事にもそれぞれ魅力があって、働くのが純粋に楽しかった。
空間デザインの専門学校を卒業してから、デザイン住宅の設計事務所で働いたのち、大手家具量販店に転職。副業で、インテリアスタイリストのアシスタントを務めていた。
手当たり次第やりたいことに取り組んでいたが、20代の終わりに差し掛かって
「自分は何を極めたいのか?」
という疑問が生まれた。
色々なことに手を出しすぎて謎の“やり切った感”があったものの、いまいち技術力を高めた実感がない。
「悩むくらいなら、習得が難しい技術に挑戦しよう」
と思い、建築の設計に目星をつけた。
そして「20代のうちに、規模が大きな会社で働いてみたい」とも思った。
今までの会社は良くも悪くも個人戦で、とにかく自由だった。会社員というより、フリーランスが集まって各々やりたいことを叶えているような感じ。
それはそれで楽しげではあるものの、社会人とは思えないような激しい意見のぶつかり合いが起きることもあった。
私がイメージするに、仕事ができる人とはチーム全体で大きな目標を達成できる人だ。私も社会人らしい団体戦に参加して、大きなプロジェクトに取り組んでみたかった。
それに、30歳になる前に社会人としての一般スキルを身につけておかないと、今後のキャリアが危うくなるような気もした。
こうした理由で選んだのが、会社規模が大きいハウスドゥだ。
正直、私の旺盛な好奇心が反映された経歴は、つっこみどころ満載だったと思う。
ハウスドゥ以外にも何社か面接を受けたが、みんな転職回数の多さを気にした。私の経歴欄を訝しげに眺めながらおざなりな質問をし、回答を聞くなり
「はあ、そういうことですか」
と椅子にふんぞり返る採用担当者もいた。
でも、ハウスドゥの採用担当者は私の話をじっくりと聞き、経歴よりも私自身の考え方を見てくれた。私が何か答えると
「じゃあ、なぜこうしたんですか?」
と背景まで深掘りする。
ただの親切心や表面的な優しさではなく、私を一人の社会人として尊重しているのが伝わってきた。
ここで社会人としての基本を学び直そうと決め、ハウスドゥを新しい仕事先に選んだ。
■「大丈夫です」と答えてしまう理由
設計職として入社したものの、当初はものすごく困ってしまった。
あんなにたくさんの仕事を経験してきたのに
「自分にできることは、何もないのでは?」
と感じてしまったのだ。
設計事務所では設計職以外の業務も幅広く行い、独り立ちする前に転職してしまったので、設計スキルが宙ぶらりんのままだった。
インテリアスタイリストのサポートもしていたが、主に撮影のスタイリングだったため、現実ではありえないようなデコラティブなデザインが多く、実際の住宅に生かせる汎用性がなかった。
いざハウスドゥで図面を書いてみると、いかに自分のスキルが足りないかを痛感させられた。
ただ、入社したばかりで「できない」と言うのも気が引ける。
とりあえず頑張ろうと思い、朝は1番目に出社するよう心がけた。私の次に出社するのは、前の席に座っている先輩だ。
すごく気が利く先輩で、二人きりの時間に
「最近どう?」
と声をかけてくれた。私がしんどくなっていることを察知してくれたのだと思う。
それでも私はへらりと笑い、
「大丈夫です~」
と返していた。
それが何度か続いたある日、先輩は「大丈夫です~」を繰り返す私を覗きこみ
「何でも言葉にしていいんだよ」
と言った。
その言葉を聞いて、社会人になってから自分の意見や悩みをあまり言えなくなっていたことに気づいた。
言えない理由は、何だろう。
■個人戦の副作用を団体戦で治した
個人戦で働いてきた私にとって
「大丈夫じゃないです」「わからないです」
といった言葉は、個人戦での負けを意味する言葉だったし、相手個人を否定する言葉にも思えた。
だから何か思うことがあっても「大丈夫です」「わかりました」と返事をしていた。
でも、チームで戦う団体戦であれば、そんな本音もネガティブな言葉にはならないはずだ。
「大丈夫じゃないです」は「大丈夫じゃないから助けてください」になるし、「わからないです」は「わからないから教えてください」になる。
むしろ、わからないのにわかったふりをするのはよくないことだ。
結局うまくいかなくて、チーム全体にとってマイナスになるし、相手を信頼していない証になってしまう。
それから少しずつ本音を伝えるようになり
「意外と何とかなる」
ということがわかった。
上司は淡々としていて本音をぶつけることに不安もあったが、仕事を振られたタイミングで思い切って
「あの、ちょっと、キャパ的に無理です」
と言ってみたら、こともなげに
「わかりました、じゃあこれ僕がやります」
と返されて終わった。
業務でわからないことがあり
「こういうところが不安なんですけど」
と切り出してみたら
「これはこういう風にするといいですよ」
と丁寧にアドバイスされた。
それまで上司に対して苦手意識を持っていたのだが、本音を言って初めてコミュニケーションのやり方がわかった気がした。
団体戦を体験したことで
「自分に対して希望は持っても期待はしない」
という新しい価値観も生まれた。
変に期待すると、何でも一人でやろうとしてしまう。
少し肩の力を抜いて周りを頼ったほうが、仕事のパフォーマンスは上がるのだ。
去年から建売ブランド『SHIRO』の企画・マーケティングや採用強化を担当するようになり、いろいろなメンバーと関わるなかで、主体性を持って自分を変化させてきた人が多いと感じた。
私もその一人で、ポテンシャルや経験を見込まれ、今では企画・マーケティングの仕事を任せてもらっている。「自分には何もない」と思っていた私が、憧れだった”チームの一員”として、大きなプロジェクトに取り組むことができているのだ。
ハウスドゥはポジションが多いので異動も多いが、やりたいことに向かって走りつつ周りを頼ることができれば、どんな過程も変化も楽しめる。
転職を重ねてきた私だが、次々に新しい刺激を受けられるハウスドゥにいる限り、転職はしなさそうだ。
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