自信を持てない人に教えたい「自己肯定感を高めるルール」
誰しもコンプレックスの1つや2つはあると思います。どうすればコンプレックスを乗り越え、自己肯定感を高められるのでしょうか?
私も昔は身体が小さく、たくさんのコンプレックスを抱えていました。
学生時代は「自分を変えたい、強くなりたい」という一心でボクシング部に所属したものの、中途半端なままの自分でした。
大人になり「本当の強さとは何か?勇気とは何か?」と自問自答し、やがて心の強さを求めるようになりました。
そこで自分自身が出した答えは、「何か一つを極める」ということ。
それが自信につながり、自己肯定感をより一層高めると感じました。
コンプレックスだらけだった自分が、営業の仕事を通じてどのように自己肯定感を高め、自信をつけてキャリアアップしたのかをお伝えします。
自己肯定感が低くて自信を持てないという方が一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
■就職氷河期、受かったのは100社中2社だった
私が就職活動をしていた頃は、就職氷河期でした。
引っ込み思案で自信がなかった私は「頑張らないと大変だ」と焦り、誰よりも早く就活をスタート。
会社説明会には100社近く行きましたが、書類選考で7割落ちて、対面の面接までたどり着けたのはわずか3割でした。
そして、最終的に内定をもらえたのはハウスドゥ。
他にも1社受かりましたが、決め手になった理由は2つあります。
1つは会社説明会に行った時に「ファイト一発」のCMでおなじみの俳優・渡辺裕之さんに偶然出会ったこと。
会場の目の前にいらっしゃって、思わず「サインください!」とお願いしたら、手帳に「気合い」と書いてくれたんです。これはもう運命だと思いました。
そしてもう1つは、会社説明会で安藤会長(当時社長)が直々に、「不動産業界を変えるぞ」という強いメッセージを発したことです。
直感で「この人についていきたい」と思いました。
今振り返ってみると、入社時点で心底ビジョンに共感して「会長についていきたい」と思い、それを貫いてきたことが今を形成する一番大きな要因になっていると感じます。
■量をこなし、型を学べばうまくいく
私は「できる営業」ではありませんでした。
新人であっても、自分に才能があるかどうかはわかるものです。
そんな新人時代に意識していたのは「質より量」。
人より能力が高いわけではなかったので、とにかく行動量を増やすことに注力しました。
できなかったら、できることをたくさんやればいいんです。
当時はまだインターネットが普及していなくて、新人営業のメイン仕事はチラシ配り。
朝8時にオフィスを出て、オフィスから徒歩2分の場所に停めたスクーターにまたがり、かごにはチラシをパンパンに入れました。
「このチラシがなくなるまで帰らない」と決め、次から次へと家を周り、ひたすらポストにチラシを投函していきます。
気が付けば隣町に突入している……なんてこともよくありました。
当時の私のモチベーションは、稼ぐことではありませんでした。
朝日を浴びながらチラシを配る自分は、まるで甲子園を目指す球児のように思えて、なんだか清々しかったのです。
特に、すごい実績もスキルも持っていない。
でも、ちゃんと努力している。
できることをひたすらやっている自分に対して、充足感を抱きました。
目の前の「できること」に全力投球すれば、ちゃんと成果が出ます。
チラシをひたすら配り続けるだけでも、配れば配るほど問い合わせの電話が鳴りました。
そして、量をこなす中でもう1つ気づいたのは「正しい型が必要」ということ。
最初は「どんな話でも臨機応変に対応できるのがいい営業だ」と思っていましたが、基本の型を覚えていないと通用しません。
どれだけ行動していても、行動する方向や頑張り方が間違っていたら成果につながらないのです。
臨機応変に対応するというのは、状況に適した型を選べるということ。
空手にいろいろな型があるように、営業にもいろいろな型があります。
新人はまず型を習い、いろいろなパターンに対応できるようにするのが大事です。
ちょうど10年前、新しい事業部に配属された頃の話です。
当時、マネージャー職ではあったものの、自分も営業しないと目標の数字を達成できない状況でした。
営業としてはベテランでしたが、初めて経験する営業分野です。
会社の認知度もまだまだ低い状況だったので、盤石な営業の型が必要だと痛感しました。
基本の型を取得していれば、紙芝居のように鮮やかに営業できます。
それに気づいた私は、本屋で心理学の本を買って営業の型を作り、目標の数字を達成することができました。
■できなかったら、今の自分にできることを考える
こういう経験があるからこそ、部下に「できないです」と相談されたら「どうしたらできるかを考えなさい」と言っています。
今の自分にできないことがあるなら、今の自分でもできることを考えればいいんです。
たとえば、1人でやると10時間かかる仕事があったとします。
あなたには10時間もその仕事をする時間はありません。どうしたらいいでしょう?
9人の仲間を集めればいいんです。
10人でやればひとり1時間で終わります。
他部署や間接部門から60人集められれば、ひとり10分で終わりますね。
他にもやる方法は何通りもあり、やれる方法はいくらでもある。それなのに、無意識に「自分にはできない」と自らストッパーをかけてしまう人がよくいます。
そのストッパーを外して「どうやったらできるか」を考えて実践することが、自信につながります。
だから、私に「どうしたらいいですか?」と相談してきた部下には「お前はどう思う?」と返しています。
質問する前に、考える。あきらめる前に、考える。
きちんと考えれば、自分ができる方法を見つけられます。どうしても見つけられなかったら、そのときは相談してください。ちゃんと自分で考えている部下には、上司もちゃんとアドバイスしますから。
■勝てなくても、土俵際で粘れば生き残れる
私は勝ち残ってきたタイプではなく、生き残ってきたタイプです。
ズバ抜けた営業成績ではなかったし「辞めたい」と思ったことも何度かありますが、そのたび「いや、がんばろう」と踏ん張りました。
耐え忍びながら働き続けると、仕事に喜怒哀楽が生まれます。
心を動かして全力投球した仕事は、言いようのない充足感を与えてくれます。
「がんばってよかった」と思わせてくれるのです。
だからハウスドゥでの日々は「私の人生」と思えるくらい大事なものになりました。
「自分にはできないかも」「辞めたい」と思った土俵際こそ、踏ん張りどき。
周りを見渡せばまだできることがあるはずなので、もうひと踏ん張りしてみてください。
そこでやり切れば「自分だったらできる」という自信が生まれます。
そう感じた大きなターニングポイントの1つが、37歳での大学院受験。
今から6年ほど前になります。
まだまだ自分は営業の1リーダー。
どちらかというと部活のキャプテンのような役割に留まっている自分に課題を感じて「経営とはどういうものなのか」を真剣に考えるようになりました。
そこで、単身赴任で東京暮らしをしていた時期、長い夜を過ごす中で「40歳になる前に、40代の準備をしよう」と一大決心し、大学院受験をしました。
約1年かけて受験の準備をし、法政大学大学院に入学。
10代の頃とは違い、自ら受験を選択し、自ら学費を払うことで、学ぶ面白さを知りました。
2年間をかけてマーケティング、統計学、経営学など、今後のキャリアに必要なことを必死に学び、大学院を卒業してMBA(経営管理修士)保持者に。
体系的に学べたことで、感覚的な知識に留まらず、論理的に理解し継承できる知識を習得することができました。
「もう40歳になるから」とあきらめずに踏ん張ったから、
40代からのキャリアがより一層充実したものになったんです。
このような考え方は私だけのものではなく、創業当時から社内にあるものです。
従業員一人ひとりに自信と熱意が生まれれば、その周りにも自信と熱意を持つ人たちが集まってきます。
そのように自然と作られたチームの方が絶対に力を発揮できると信じています。
ハウスドゥグループは、そんな会社でありたいと思っています。
■「なぜ?」を自問してたどり着く、人生の目的とは
皆さんにとって、人生の目的は何ですか?
私には、仕事に対する価値感にもつながる「生き方の価値感」があります。
その土台になっているのは、木下晴弘先生((株)アビリティトレーニング 代表取締役)の言葉です。
今は塾の講師の方々を手助けされていますが、数年前にハウスドゥ全国FC大会で講演いただいたこともある方です。
先生は塾の講師をしていた時代、親御さんとの面談で「お子さんをこの塾に入れて、なぜ良い学校に入れたいんですか?」と聞いていたそうです。
「ちょっとでも良い会社に就職して欲しい」
そう答える親御さんに、「なぜ良い会社に就職して欲しいんですか?」と聞くと、次第に言葉が出てこなくなり、答えに詰まっていきます。
皆さんも、自分に子供がいると想定して、頭の中で考えてみてください。
親は、自分の見栄のために良い大学や良い会社に入ってほしいわけではありません。
「なぜ?」をずーっと繰り返していくと、最終的に一つの答えが出てきます。
「子供に幸せになって欲しいから」です。
私は、人生の最終目的は「幸せになること」だと感じてます。
でも、自分1人では幸せになれない。
周りの人がいて、周りが幸せであって初めて、自分が幸せになれるんです。
「100億円あげるからひとりで無人島に行っておいで」と言われても、幸せじゃないのです。
だからお金は手段に過ぎず、「みんなが幸せであることで、自分が幸せになること」が人生の目的だと感じていますし、私自身の「生き方の価値観」です。
私の使命は、会長の意思通りに強化事業である売買事業をさらに推進していくことです。
売買事業を成長させ、リバースモーゲージを発展させる。
皆で協力しながら、これらを実現していきます。
他にも、自分が経営者としてやらないといけないことはすべてしっかりやっていきたいと思います。
会長が作り上げた会社と資本をさらに大きなものにしていくことが、私の役割です。
そのために、皆さんの力を借りたい。
まだまだ社長という立場にふさわしい人間だとは思っていません。
未熟者ですが、社員の皆さんの幸せのためにしっかり支えられるように努力します。
こうした思いやビジョンに共感してくれる新しい仲間も求めています。
皆さんと協力しながら、一人ひとりの人生の目的を叶えられる会社にしていきます。
(And Doホールディングス代表取締役社長 / ハウスドゥ・ジャパン取締役 冨永正英)
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